家族教室

いっしょに学びあう

年数回講師の方をお招きして開催する、家族・当事者や区民が学ぶ場です。
最新の役立つ情報を幅広く学習して交流を深めています。
遠方から参加される方も多く、家族教室の記録は会報に掲載されます。

開催詳細は会報にてお知らせいたします。
これまでの家族教室の内容は下からご覧ください。
(講演タイトルが赤字のものは、講演内容が読めます)

2024年4月の家族教室

薬はストレスから脳を守るバリア ―自分に合った薬と量をみつけよう―
日 時:4月19日(金) 13:30~16:00
場所 :烏山区民センター 第 4 会議室 (京王線千歳烏山駅下車 3 分)
講師  : 大下隆司(代々木の森診療所 院長)
参加費:会員300円 一般800円 当事者の方 無料
申込み:世田谷さくら会 お電話でお申し込みください 03-3308-167
満員御礼(先着45名)

<メッセージ>
私が精神科医になった時は多剤大量療法の時代だった。私は墨東病院で鎮静させる精神科救急医療を学び、神戸で実践した。
私を変えたのは 1996 年わが国初の非定型抗精神病薬リスパダールである。幻覚妄想の激しかった患者さんが自ら進んで薬を飲んでくれた。翌年書いた症例報告は、「リスパダールが急性期に効果がある」という日本初の論文となった。当時はリスパダール単剤で効果があるとだれも信じていなかった。リスパダール内用液が出た時、強制的な治療の代名詞であった筋注を減らしたいと思い、内用液と筋注の比較試験を行った。今のような分包品がなかったので、使い捨ての醤油入れに 2 ㎖ずつ分注し救急カートに備え行った。結果は効果が同等で患者さんや看護師の満足度が高かった。その論文が契機となり内用液の分包品が作られ、筋注の使用が劇的に減少した。
「多剤大量から単剤適量へ」という講演を日本中で行っていたが、ドパミン・パーシャルアゴニストのエビリファイが出る時、鎮静重視の思考ではこの薬を使えないと思い、2006年に東京に移り、「病因・自己治癒力モデルでドパミン仮説を考える」という論文を書いた。また、学会主導で行った治療抵抗性統合失調症治療薬クロザピンの臨床試験では、事務局として規制当局と何度も折衝した経験がある。
臨床経験を通じて感じている「薬は何を目的に使うか、そのために症状をどう観察するか」についてお話ししたい。

<自己紹介>
1955 年、鳥取県生まれ。教師をしながら山中康裕にカウンセリングを学んでいたが、教師に適性がないと気付き、精神科医になろうと 29 歳で神戸大学医学部に入学。1991 年より中井久夫の下で臨床研修。その後、都立墨東病院、明石土山病院、兵庫県中央児童相談所、神戸大学大学院、東京女子医科大学、神戸国際大学保健センター教授、2012 年より現職。著書は「思春期でこぼこ相談室・ 母娘でラクになる 30 の処方箋」(集英社)など



 

年月タイトル講演者
2024/01 高齢化の時代 だれがサポートするのか ― 8050問題のゆくえ ― 古屋龍太(日本社会事業大学 名誉教授)
2023/10 統合失調症の回復とはどういうことか 横田 泉(沖縄 オリブ山病院)
2023/03 統合失調症の薬物治療 Q&A ~上手な薬とのつきあい方~ 吉尾 隆(住吉偕成会理事長・精神科薬物療法サポートセンター長)
2022/12 発達障害? 統合失調症? ~診断と治療 そして家族ができること~ 太田 晴久(昭和大学発達障害医療研究所 所長)
2022/09 ゆっくり いっしょに ~看護師から家族に伝えたいこと~ 稲岡 勲 (訪問看護ステーションゆっくり)
2022/03 柔らかい治療・柔らかい回復を語る 星野 弘(往診メンタルクリニック ゆっくり 院長)
2021/06 親なきあとに備えて ~障害のある人が困らないために親が今からできること~ 渡部 伸(親なきあと相談室主宰 世田谷手をつなぐ親の会会長 行政書士 社労士)
2020/12 精神科で働く看護師から見た患者さんと家族、そして社会 宮子あずさ(井之頭病院看護師)
2020/04 家族みんなが楽になるコミュニケーション 高森信子(SSTリーダー)
2019/06 行きやすい場所 生きやすい町 ~幻聴妄想かるたとハーモニー~ 新澤克憲(ハーモニー施設長)
2019/04 今こそ心の時代 ~当事者が人として回復し主体的に生きていける社会を目指して~ 鶴田英規(クエスト代表) 望月建宏(クエストメンバー)
2019/02 生活とこころの病と一般診療の交差点 ~約10年にわたる「アウトリーチ」の体験より~ 夏堀龍暢(祐ホームクリニック)
2018/10 世田谷さくら会50周年記念講演会「人々が尊重し合う社会はつくれるか」 高木俊介(精神科医)
2018/06 地域で暮らすための「住まい」と「お金」 田中直樹(あおば福祉会)
2018/04 当事者の力を引き出す支援!-イタリアの社会的協同組合に参加して- 野口博文(NPO法人東京ソテリア代表) 土田ノブ子(家族)当事者2名
2017/10 減薬という旅の彼方に ~のむ治療から学ぶ治療へ~ 小林和人(山容病院 院長)
2017/09 担当医と信頼関係を築くために何が必要か 夏苅郁子(やきつべの径診療所・児童精神科医)
2017/07 もっともっと、ゆたかな明日を! ~転換求められる精神障害者の福祉と人権、私たち一人ひとりに問われること~ 藤井克徳(日本障害フォーラム(JDF) 副代表)
2017/04 病院から地域へ~精神科病院はどこへ向かうのか~ 氏家憲章 (社会福祉法人 うるおいの里 理事長)
2017/02 精神の疾患を抱える人の回復を応援する食事と運動について 功力浩(国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 第三部 部長)
2016/12 生きることについて ~障害を負っても生きる意味~ 竹内政治(当事者会 ウイーズ リーダー)
2016/09 日常診療を少しでもましなものにする工夫 岡崎祐士 (精神科医)
2016/05 統合失調症はなぜ再発しやすいのでしょうか? 渡邉博幸(千葉大学特任教授 医学博士)
2016/04 通過型グループホーム 10年の実績から見えてきたこと 山口さとる(グループホームいちごLiving 施設長)
2016/02 統合失調症からの回復のヒント 乾達(内科医)
2015/10 人はなぜ病を得るのかー命がともす魂の回復ー 糸川昌成(東京都医学総合研究所 病院等連携研究センター長)
2015/09 「開かれた対話による治療 フインランドのオープンダイアログ」 下平美智代(NPO法人リカバリーサポートセンターACTIPS)
2015/06 本当の地域精神保健サービスとは
~精神病院を捨てたイタリア 捨てない日本~
大熊一夫(ジャーナリスト)
2015/04 わが街にもほしいな! ACT
~地域で安心して生活するための訪問支援~
岡崎公彦(岡崎クリニック 院長 ACT -one- チーム ドクター)
2015/02 「認知症の患者さんは何に困っているか」 斎藤正彦(松沢病院 院長)
2014/11 統合失調症における薬物治療の適正化  ~抗精神病薬の減量方法~ 吉尾隆(東邦大学薬学部)
2014/09 人が回復するということ 夏苅郁子(精神科医・やきべつの径診療所)
2014/06 お二人の当事者のお話 宮澤秀一 (トライ・ザ・ブルースカイ代表)尾山 篤史 (たなからぼたもち)
2014/04 精神障害の方々の地域支援を考える 伊澤雄一 (はらからの家 施設長)
2014/03 統合失調症に対して最善をつくすとは? 白石弘巳(東洋大学ライフデザイン学部 教授)
2013/11 人とのつながりがこころを守る 飛鳥井望(都 精神医学総合研究所 心の健康プロジェクトチーム)
2013/10 統合失調症最新情報 糸川昌成(都 精神医学総合研究所 統合失調症研究 チームリーダー)
2013/08 こころの健康に不安を抱える方への在宅ケア 高野洋輔(こころのホームクリニック世田谷院長)
2013/06 知ってほしい・伝えたい 障害年金の話 ~すでに受給している人・これから受給を考えている人たち~ 青木聖久(日本福祉大学教授 社会福祉学博士)
2013/04 「障害者就職支援セミナー」 渡邉幸義(アイエスエフネットライフ株式会社 社長)
2013/03 [あったらいいね! こんな支援!」 ~文京区 24時間相談支援の実績から学ぶ~ 安達勇二(あせび会 支援センター長)
2013/02 最適な在宅医療を手に入れるために ~家族は何が出来るか~ 上野秀樹(精神科医・桜新町アーバンクリニック)
2012/11 認知行動療法  「きずな=きみと ずっと なかよく」~地域で自分らしく尊厳をもって生きられること~ 大野裕(国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センター長)
2012/09 統合失調症研究最新情報 ~新しい仮説:ミトコンドリア仮説と統合失調症~ 市川智恵(都 精神医学総合研究所 統合失調症プロジェクトチーム)
2012/06 成年後見制度 鳥山克広(さくらハウス統括責任者)
2012/04 「ひきこもり」と家族たちの挑戦 小松正泰(NPO法人あやめ会 地域活動支援センター・窓の会 施設長)
2012/03 ここまでわかった・ここまで変わった精神疾患の研究と治療・支援 ~当事者・ご家族のための最新情報~ 山崎修道(東京大学 精神神経科医局 ユースメンタルヘルス講座 特任助教)
2012/02 自分が変わる 社会を変える ~やどかりの里の実践を通して~ 堀澄清(やどかり研究所 代表・理事)増田一世(やどかりの里 常務理事)
2011/11 思春期のころの発達・健康を支援する 笠井清登(東京大学大学院 医学系研究所 教授)
2011/09 統合失調症研究最新情報 宮下光弘(都 精神医学総合研究所 うつ病プロジェクト・統合失調症研究チーム)
2011/07 医療と福祉をつなげる訪問介護   ~TACT (ACT)を始めました~ 寺田悦子(多摩在宅支援センター 理事長)
2011/05 手記から学ぶ統合失調症:最近の問題 八木剛平(おおぞらクリニック院長)
2011/04 その統合失調症って、発達障害? 片岡聡(東京自閉症協会)
2011/02 精神疾患をもつ患者さんと家族への支援 ~臨床現場での経験から~ 小島卓也(大宮厚生病院 副院長)
2010/11 みんなで考えようこころの健康 ~ひとりでできること、社会ができること~ 福田正人(群馬大学医学部精神科.神経科 准教授)
2010/10 脳とこころの分子メカニズム ~カルボニルストレスと精神疾患のかかわり~ 新井誠(都 精神医学総合研究所 統合失調症チーム 主席研究員)
2010/09 働いて元気になる 中谷真樹(住吉病院院長)
2010/06 当事者のお話と懇談「こころの健康に必要なものは」 坂入雪雄(さくらんぼの会リーダー)森重 寿一(とせいれん)
2010/04 脳を守るための精神科薬物療法 菊山裕貴(大阪精神医学研究所 新阿武山病院)
2010/02 発達障害の基本的理解と支援 ~発達障害の基本的理解と家族のかかわり~ ~発達障害と統合失調症との鑑別~ 清水誠(横浜カメリアホスピタル 児童精神科医)富澤佳代子 (湘南メンタルクリニック 臨床心理士)
2009/12 こころの病気を持つ人をサポートする ~精神保健福祉に求められること~ 伊勢田 尭(精神科医)
2009/10 肥田クリニックの新たな統合失調症の展開を聞く 肥田裕久(ひだクリニック  院長) 木村 尚美(ひだクリニック副院長)
2009/09 早期支援・家族支援のニーズ調査の報告会 岡崎裕士(松沢病院) 松永貴久美(こあらの会) 石倉 習子(松沢病院) 西田 淳志(都 精神医学総合研究所)
2009/07 統合失調症と気分障害の理解のために ~青少年への教育方法を参考に~ 白井有美(松沢病院 精神科医)
2009/05 地域で支える精神保健福祉 堀由美子(世田谷区総合支所保健師)
2009/02  地域で暮らすための生活支援 宮本めぐみ(社会福祉法人めぐはうす 地域生活支援センターMOTA施設長)
2009/02 心の病への早期サポート 西田淳志(都 精神医学総合研究所 統合失調症 プロジェクトチーム)
2008/12 統合失調症の最新研究 糸川 昌成(都 精神医学総合研究所 統合失調症 プロジェクトリーダー)
2008/11 精神障害リハビリテーション 野中猛 (日本福祉大学)
2008/09 統合失調症と身体疾患 稲垣 中(慶應義塾大学大学院 健康マネジメント研究科 准教授)
2008/07 精神科の基礎知識と家族の対応 井上 悟(都 中部総合精神保健福祉センター 広報援助課長)
2008/06 成年後見制度を活用しよう 木谷 哲三(区 地域福祉支援課長)
2008/04 親は子をどう支援したらよいか 若林菊雄(PSW)
2008/02 経験を希望の礎にしよう 野村忠良(東京つくし会会長)
2007/12 成年後見制度について考えよう 鳥山克宏(社会福祉士)
2007/11 親が変われば子も変わる 高森信子(SSTリーダー)
2007/09 精神科チームアプローチ ~新しいサービス提供の時代~ 中谷眞樹(住吉病院院長)
2007/07 親亡き後の当事者の自立生活のメドをつけよう 滝沢武久(PSW)
2007/04 統合失調症のくすりの話 吉尾隆(桜が丘記念病院薬剤部長)
2007/03 精神障害者の就労支援~世田谷区の場合~ 松田由紀子(しごとねっと)
2007/01 統合失調症の方々の総合的社会復帰について 岡崎裕士(松沢病院長)
2006/11 アメリカの当事者が世田谷で語ります プロジェクト・リターンの2人 上森得男(厚木家族会)
2006/09 ~Out of the Shadow~ アメリカドキュメンタリーフィルム上映
2006/07 統合失調症の回復過程と長期予後 小川一夫(中部センター)
2006/04 世田谷の社会資源について ~障がい者自立支援法を見据えながら~ 進藤義夫(障害者支援情報センター)
2006/02 ~People say I'm Crazy~ アメリカドキュメンタリーフィルム上映
2005/12 精神障害者の型以後と家族の健康 半澤節子(長崎大学)
2005/10 心の病気とサポートシステム 増野肇(ルーテル学院大学)
2005/09 当事者のお話と懇談会 金龍男(ドロップアップセンター)尾山篤史(たなからぼたもち)
2005/07 統合失調症について 坂井俊之(中部センター医師)
2005/03 家族と主治医のかかわり方 井上幸代(NTT東関東病院医師)